自然農法をやり始めたキッカケ
私は約15年間、団体職員として勤めていましたが、家庭菜園を趣味としていた義母が平成10年に亡くなり、畑に携わることとなって、その時に農作業の楽しさと難しさを味わいました。
平成12年に体調を崩して、心身ともに思い悩んでいた頃、自然農法に出会い仕事としてやってみたいという思いが強くなり、平成13年4月より久万高原町の休耕田を借りて自然農法を始めました。
畑は現在、約80a(約2400坪)で主に枝豆、そら豆、じゃがいも、にんにく、たまねぎ、白菜、キャベツ、小麦を栽培しています。
当初、枝豆、そら豆は種をパレットに播いて苗を移植していましたが、作付面積を増やしていくにつれ苗を置く場所にも手狭になり直播にしています。
除草は大変な作業ですが、「抜く」から「刈る」作業にすることによりだいぶ楽になりました。
虫に語り掛けながら
野菜につく虫に対しては手作業で対応していましたが、ある時そら豆にアブラムシが真っ黒になるほどついた事があり、よく見ると何か別の虫がそれを食べていたのです。
何の虫だろうと思って子供の昆虫図鑑をめくって調べてみると、てんとう虫の幼虫だと分かりました。それ以来、虫を見つけるたびに本と睨めっこしているうちに少し愛着がわき、虫に対するイメージが変わってきました。
虫であっても精一杯生きているわけで、野菜を食べるから害虫であるととらえるのは人間サイドの考え方ではないかと思います。
虫に食べられるのはその野菜に何か原因があるのではないかと思います。本物の自然農法では、その究極において虫の害と無縁になるものと思っています。
そういう意味で、自分の作った野菜が虫に食べられず見栄えも良いのが理想です。
平成18年から、植物堆肥を入れるのをやめています。
野菜や虫に語り掛けながら、何事に対しても感謝の気持ちを忘れずありのままに農作業を続けて行きたい
と思います。
また、この本物の自然農法で納得のいく結果を得て、多くの方々に安心でおいしい野菜を提供できれば幸いです。